内モンゴルで謎のミサイルサイロが出現 シンクタンク:中国は“通常兵器による高速打撃能力”を構築し台湾・米国を狙う
中国内陸のミサイル試験基地で新たな動きが確認され、台湾海峡の通常戦力バランスを左右しかねない変化として注目されている。
最新の衛星画像によると、人民解放軍は内モンゴルの吉蘭泰基地で新型の強化発射施設を建設しており、側面から開閉できる伸縮式のトップカバーを備えている。
米国のシンクタンクは、この施設は長距離核攻撃用ではなく、台湾や第一列島線の米軍基地を標的とした「通常兵器による高速打撃能力」を構築するためのものだと分析。開戦初期に迅速な先制攻撃を行う意図があるとみている。
米空軍大学の「中国航空航天研究所(CASI)」が発表した報告によると、これら2つの強化施設には長さ約20メートルの矩形の伸縮式トップカバーが設置されている。しかし掘削深度は推定で6.4〜11.8メートルと浅く、従来の大陸間弾道ミサイル(ICBM)サイロよりはるかに浅い。研究員のエリ・ターク氏は、この深さは中・短距離ミサイルの垂直発射にちょうど適しており、極超音速滑空体を搭載する「東風-17」や、対艦攻撃能力を持つ「東風-21」などの配備に使われる可能性が高いと指摘した。
分析では、この新型垂直発射システムは火力を集中させつつ露出リスクを低減し、北京に高い柔軟性を持つ非核の高速打撃オプションを提供するものだとされる。これにより中国の意思決定層は、台湾海峡危機の際に「迅速な制圧」を行えるとの自信を持ち、米台が軍事行動を断念するよう圧力をかけたり、封鎖を短期間で大規模な火力攻撃へと転換する可能性があると警告している。
ただし、このような固定式発射井は強力な火力を持つ一方で、隠蔽が難しく、初撃後に破壊されやすいという「使わなければ失われる」構造的弱点も抱えている。解放軍がこのシステムを最終的にどれほどの規模で整備し、どのような戦術的位置づけを与えるのかは、各国の情報機関が注視する焦点となっている。