中国の改革開放で最大の失敗例に?汕頭が“経済停滞の特区”へ転落
中国の改革開放初期、深圳・珠海・厦門・汕頭は「最初の経済特区」として同列に指定された。
しかし40年以上を経て、その発展には大きな格差が生まれた。
英誌『エコノミスト』は、汕頭が産業高度化の停滞、汚職体質、排外的な地域文化、深刻な人材流出などの問題により、改革開放の“最も象徴的な失敗例”となりつつあると分析している。
汕頭はかつて中国の重要な対外貿易港であり、李嘉誠やテンセント創業者の馬化騰の出身地でもある。しかし2024年の汕頭の一人当たりGDPは約5.4万元で、全国平均(約10万元)を大きく下回り、深圳(21.4万元)の4分の1にも満たない。年間成長率はわずか0.1%。1980年には汕頭のGDPが深圳の4倍だったが、現在では深圳の経済規模が汕頭の10倍以上に拡大している。
近年の中国不動産市場の低迷も汕頭経済を直撃した。2024年の不動産投資は38.8%減少し、玩具・繊維など伝統製造業の輸出も下落。高科技産業への転換に失敗したことで、輸出全体は9.1%減となり、中国全体の輸出増加傾向とは対照的な結果となった。
『エコノミスト』は、汕頭の問題は産業構造だけでなく、制度と文化に根深い要因があると指摘する。官僚の汚職、企業への賄賂要求、閉鎖的な地域文化、外来人材への不寛容などが都市競争力を削いできた。1996〜2017年の外資誘致額はわずか67億ドルで、同期間の深圳(850億ドル)と比べると大きな差がある。若者の流出も深刻で、一度離れた人材が戻らない傾向が続いている。
近年、汕頭は旧市街の再整備や観光開発で一定の成果を上げているものの、分析では「制度の健全性、開放性、継続的なイノベーション能力が欠ければ、政策支援があっても都市は長期的競争力を維持できない」と指摘。汕頭の歩みは、中国改革開放の課題を象徴する重要なケースだと結論づけている。