中国軍ヘリが初めて台湾海峡中線を越える グレーゾーン行動に新たな2つの様相
台湾国防部は21日、20日に中国軍のヘリコプター1機が台湾海峡の中線を越え、中線以東のR9限航区で長時間にわたり平行飛行したと発表した。
国防安全研究院の研究員・揭仲氏は、これは中国軍ヘリが初めてこの飛行パターンを取った事例であり、同日に「2種類の新たなグレーゾーン行動」が確認されたと指摘。
武力侵攻を想定した空中機動訓練や無人機との協同作戦の可能性があり、警戒を強める必要があると述べた。
国防部によると、20日午前6時から21日午前6時までに、中国軍艦5隻、公務船6隻、航空機4機が台湾北部・中部・東南空域で活動した。ヘリと無人機は20日午前10時20分から午後7時40分にかけて、台湾海峡中線付近や北部・東南の防空識別圏(ADIZ)に出現した。
揭仲氏は、中国軍が東引・烏坵以東の海峡空域にヘリ1機と無人機1機を投入したと説明。ヘリは中線を越えただけでなく、中線とほぼ平行する形でR9限航区内を長時間飛行し、「限航区内の越線飛行」という新たな行動様式を示したと分析した。
同氏によれば、これは2022年8月に中国が台海中線の慣行を一方的に破棄して以降、初めて中国軍ヘリが台湾中北部外海の狭い海峡区間で直接越線した事例であり、さらに中線以東の限航区に侵入した初のケースでもある。中国軍のグレーゾーン戦術が進化していることを示すものだという。
また、このヘリが艦載機なのか、中国本土から離陸した陸軍航空部隊の機体なのかは確認されていない。もし陸航部隊の機体であれば、R9が中線以東の4つの限航区の中で台湾北部陸地に最も近いことから、中国軍が台湾侵攻を想定した空中機動作戦の試験を行っている可能性があると指摘した。
同じ空域では無人機も活動していた。揭仲氏は、中国軍が近年、ヘリと無人機を組み合わせた「偵察・攻撃一体型」や兵力輸送を含む跨海突撃訓練を頻繁に実施していると説明。今回の行動は、両機種が初めて中線以東で協同訓練を行った可能性があり、今後の動向を注意深く見守る必要があると述べた。