監察院が警告:中国の統戦工作が「若年層へ浸透」 中国訪問の台湾中高生が急増
公開日:2026年8月2日
台湾の監察院は、林文程・田秋堇両監察委員の調査報告を公表し、中国が低価格補助や現地での手厚い接待を通じて台湾の若者を中国へ誘致し、対台湾統一戦線工作(統戦)が「若年層へ向けて深く根を下ろしている」と警告した。報告によると、2022〜2025年の間に大学生だけでなく、中学生・小学生の中国訪問人数が急増しており、統戦対象の年齢層が明確に低下している。
教育部の統計では、2022〜2025年の中国教育交流参加者は、
- 大学生:2196人 → 5745人
- 高校生:676人 → 1161人
- 中学生:0人 → 1021人
- 小学生:38人 → 1045人 と大幅に増加。同行する教師も661人から1281人へ倍増した。監察院は「中国が台湾青少年への接触を拡大し、教育交流を通じて影響力を強めている」と指摘し、政府に高度な警戒を求めた。
調査では、教育部が教師による学生募集型の交流活動を申報対象とするよう求めているにもかかわらず、2025年にも未申報の事例が複数発生。2019〜2025年の間に32校・19件の違反が確認され、最も多いのは「教師が学生を中国交流に誘致しながら申報しなかった」ケースで、現行制度の管理不備が浮き彫りとなった。
また、学生が校外ルートで中国交流に参加する場合、学校側が状況を把握できない問題も判明。例として、真理大学の学生が2024年の「海峡両岸青年学生孫子兵法友誼弁論大会」に個人参加したケースでは、校級交流として扱われず申報も行われなかった。
さらに、海基会によると、中国各地の台辦と連携した民間団体が台湾の学校で説明会を開催し、中国の「惠台政策」を宣伝。航空券のみ負担すれば中国側が全行程を接待する格安プランを提示し、天安門広場や中共党史館など“紅色景点”を巡る内容が含まれるなど、中国の発展イメージを強調する宣伝色が強いという。
監察院は、教育部と陸委会に対し、
- 交流活動の審査・監督の強化
- 統戦リスクの明確なガイドライン策定
- 学校・保護者への情報提供
- 未成年の海外交流に関する安全管理の徹底 を求め、教育交流が中国の統戦ツールと化すことを防ぐよう強調した。