中国が9月に新たな出入境規定を施行 技術安全関連の渡航者は出国制限の可能性も

公開日:2026年8月2日

中国は9月15日から新版「国務院出境入境管理規定」を施行し、出入境管理措置を大幅に強化する。
新規では、輸出管理や技術安全に関わると判断された中国公民について、主管当局が「出国禁止」を決定できる条項が新設され、出境管理権限の拡大が国内外で注目を集めている。

新華社によると、新規は全19条で構成され、7月31日に公布された。目的は「出入境管理の規範化と国家主権・安全・発展利益の維持」とされるが、ネット上では「政府が国民の出国を制限する権限がより明確になった」「県級公安機関まで権限が下放され、透明性の低い『辺控』制度が制度化する」といった懸念が広がっている。

新規第4条では、中国公民が輸出管理法や技術進出口管理規定に違反し、国家の産業安全・技術安全を脅かす可能性がある場合、商務部などの主管部門が出国禁止を決定できると明記。原則として書面通知が必要だが、国家安全や刑事捜査に関わる場合は通知不要とされ、恣意的運用の可能性が指摘されている。

さらに、出国申請時には目的を正確に説明し、移民管理機構の身分確認・事由審査に協力する義務が課される。招へい状や証明書を発行する企業・個人も内容の真実性に責任を負い、当局の調査に応じる必要がある。

中国政府は海外渡航リスク提示制度も導入し、治安悪化地域への渡航者に対し必要に応じて「勧阻」を行う方針。外国人については、違法出入境や境界管理妨害で処罰された場合、1〜5年間の入国禁止措置が可能となる。

国家移民管理局は、新規は近年増加する「違法出国による賭博・詐欺」「技術の違法流出」などへの対策だと説明し、出境管理強化と出国禁止制度の整備が目的だと強調。しかし外部では、行政機関の裁量がさらに拡大し、今後国民の出国自由、国際ビジネス、学術交流に影響が出る可能性があるとの見方が広がっている。