前経済産業大臣 半導体戦略推進議員連盟名誉会長
KDDI創立者
前自衛隊陸上幕僚長
台湾日本研究院理事長
財信傳媒董事長
インド太平洋戦略シンクタンク執行長
台湾と日本の技術協力は、今日始まったものではなく、数十年にわたる継続的なプロセスです。
これまでの相互支援と積み重ねられた成果が、現在の発展の基盤を築いてきました。
1970年代にさかのぼると、日本の技術と資本が台湾に進出し、台湾の半導体産業の発展を大きく支えました。
そして2020年代には、
TSMCが日本・熊本に工場を設立し、日本の半導体産業復興の鍵となる重要な一歩を踏み出しました。
このような双方向の支援モデルは、間違いなく世界の技術発展における成功例の一つといえるでしょう。
米中貿易対立を背景に、グローバルなサプライチェーンの再編が進む中、
共通の価値観を持つ台湾と日本は、高度技術産業における協力をさらに強化しています。
これは単なる商業的な連携にとどまらず、産業エコシステム全体の融合へとつながっています。
台湾と日本の経済交流は常に密接ですが、
これまでその多くは製品貿易に限定されていました。
未来の協力においては、技術の集約と融合を探り、新しい価値を創造する必要があります。
例えば、半導体や人工知能などの分野において、
もし私たちが共に新しい製品を開発できれば、それは地域全体の産業融合を支援し、
最終的には世界経済にも貢献することになるでしょう。
李世暉教授が述べたように、TSMCの日本進出は、この協力の重要な試金石となっています。
TSMCの日本への投資において、
甘利明氏は当時の意思決定における重要なキーパーソンの一人でした。
日本のメディアは、この出来事を「第二の黒船来航」とまで評しました。
最初の黒船来航は1853年に米国海軍提督ペリーが軍艦を率いて
日本に開国を迫ったことで、日本の近代化の引き金となりました。
そして今回のTSMCの日本進出も
、日本の企業文化に変革をもたらし、深い影響を与える可能性があります。
同時に、TSMCのグローバル展開は、台湾の国際的な存在感を高めるだけでなく、
技術競争、国家安全保障、経済の回復力、そして世界秩序において極めて重要な役割を果たしています。
地政学的リスクが高まる中で、台湾と日本がどのように技術分野で協力していくべきかを考えることは、
単なる産業発展の問題にとどまらず、私たちの生存と未来に直結する課題でもあります。
台湾と日本はともに民主主義国家として、
世界の技術競争と戦略的駆け引きの中で極めて重要な役割を担っています。
私たちは未来を左右する力を持つだけでなく、
自由・民主・平和というライフスタイルを守り続ける責任があります。
そして、技術の進歩が人類の基本的価値観と安全保障に適合するよう、
確保していく必要があります。
昨年新たに設立された「インド太平洋戦略シンクタンク」は、
台湾と国際社会との幅広い交流と相互理解の促進を目的としています。
このような国際フォーラムを共に開催できたことを、大変嬉しく思います。
今後も皆様のさらなるご支援を賜り、
このシンクタンクが台日協力と国際交流の架け橋となれるよう、
一層の貢献を果たしていきたいと考えております。
本日、このフォーラムにおける議論と意見の交換を通じて、
台日技術協力のより緊密な道筋を見出し、より安全な世界を築いていけると確信しています。
各分野の専門家による知見を結集し、さらなる可能性を探り、未来の協力関係について深く理解を深める機会となることでしょう。
改めて皆様のご参加に感謝申し上げます。
共に台日技術の未来に向けた新たな時代を迎え、より良い明日を築いてまいりましょう。
ありがとうございました!
フォーラムの内容(文字・映像)は、
閉幕後に「インド太平洋戦略シンクタンク」の公式ウェブサイト、
「矢板明夫Newtalk」のYouTubeチャンネル、
「台湾ホットニュース」で放送されます。
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