G7外相会合で中国を名指し批判 台湾の国際機関参加を支持

公開日:2025年3月12日

 カナダ東部シャルルボワで3月12~14日、先進7か国(G7)外相会合が開かれ、14日に共同声明が発表された。

ロシアがウクライナとの停戦に応じるよう要求したほか、中国を名指しして台湾海峡や東・南シナ海での一方的な現状変更の試みに「反対する」と明記。

昨年の会合では中国への配慮で盛り込んでいた「一つの中国」政策への言及を削除し、「適切な国際機関への台湾の参加を支持」とも表明した。


 ■解説

 共同声明では、これまでウクライナ侵攻を非難する際に使ってきた「ロシアによる侵略戦争」の表現は盛り込まれなかった。

ロシア非難に反対するトランプ米政権との協調を優先した。

ただ、ロシアが占領したウクライナ領の割譲を認めるなどロシア寄りの和平が実現すれば、中国が台湾海峡などで威圧的な行動をエスカレートさせる恐れがある。

会合に参加した岩屋毅外相は「和平のあり方はインド太平洋を含む国際秩序全体に影響を与える。

誤った教訓が導き出される状況が生まれることを許してはならない」とクギを刺した。

 一方、共同声明で中国を名指しで批判したことは中国へのけん制の役割を果たし、台湾の国際機関への参加を支持したことは、台湾を国際的孤立に追い込もうとする中国に対抗する姿勢を示している。