中国外相が台湾問題巡り日本に「警告」

公開日:2025年3月7日

 中国の王毅外相は3月7日、北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて記者会見し、「日本には台湾独立勢力と通じる者がいる」と主張。

「『台湾有事は日本有事』と吹聴することは、日本が自ら事を構えることになる」と述べた。

 

 ■解説

 王毅外相は、昨年11月15日にペルーで日中首脳会談が行われて以降、日中関係は「改善と発展の前向きな勢いにある」としつつ、日本が台湾問題に関与しないよう強い口調で求めた。

 昨年11月5日の米大統領選でトランプ氏の当確が決まって以降、国際的孤立を避けたい中国は日本との関係改善を図ってきた。

日本人向け短期ビザ免除を再開し、日本産水産物輸入の再開に向けた調整も進んでいる。

だが、今年2月の日米首脳会談の共同声明で、東・南シナ海情勢を巡り中国を名指しで批判し、台湾問題で「一方的な現状変更の試みに反対」との表現が盛り込まれたことに中国側が反発。

2月後半に訪中した日本経済界の代表団の会談相手は、昨年の李強首相から何立峰副首相に「格下げ」した。「米国の『一国主義』に対抗して日本を取り込みたいが、台湾問題では譲れない」という中国指導部の思いが、王毅外相の姿勢からも垣間見えてくる。