「日本と台湾は防衛費の大幅増額を」 トランプ政権「陰の国防長官」が要求

公開日:2025年3月4日

 トランプ米大統領が国防次官(政策担当)に指名したエルブリッジ・コルビー氏は3月4日、人事承認に向けた上院軍事委員会の公聴会の書面証言で、「日本はできる限り早期に防衛費を国内総生産(GDP)比で3%以上に引き上げるべきだ」と要求。

口頭の証言では「台湾はGDP比10%に増額すべきだ」と主張した。日本は2027年度に防衛費をGDP比2%に増やす方針。

台湾の防衛費は現在GDP比2.45%で、10%は約4倍にあたる。

 

 ■解説
 コルビー氏は第1次トランプ政権で国防副次官補を務めた。

今回は国防総省ナンバー3の政策担当次官に就任するが、トップのヘグセス国防長官やナンバー2のファインバーグ副長官は国防分野の経験が浅く、コルビー氏が政策決定に強く関わるとみられている。

 コルビー氏は「米国と中国の軍事バランスが急激に悪化した」「中国が台湾を武力統一すれば大惨事になる」と指摘。

日本の防衛費増額が「あまりに遅すぎる」と注文を付け、台湾には米国からの武器供与を加速し、防衛能力を向上するよう求めている。台湾の頼清徳総統は2月に「特別予算で防衛費をGDP比3%以上にする」と表明している。

ただ、立法院(国会)では少数与党のため実現のハードルは低く、米国側の高い要求と共に「内憂外患」の状態が続きそうだ。