台湾軍演習で米軍退役上将が参謀総長の顧問に

公開日:2025年5月2日

 4月5~18日に行われた台湾軍の演習「漢光41号」で、元在韓米軍司令官のロバート・エイブラムス(Robert B. Abrams)陸軍退役上将がシニアオブザーバーとして演習に参加し、台湾軍の梅家樹参謀総長の顧問を務めた。

エイブラムス氏の父親はクレイトン・エイブラムス・ジュニア(Creighton Abrams, Jr.)大将で、米軍の戦車「M1エイブラハム」は彼の名前を冠している。


 ■解説:  

 3月には日本の自衛隊制服組トップの統合幕僚長を務めた岩崎茂氏が台湾の卓栄泰行政院長(首相)の招請を受けて、民間人として行政院(内閣)顧問に就任した。

表面上、岩崎氏とエイブラハム氏はいずれも個人の立場で台湾に協力しているように見えるが、外交関係に影響を与える可能性のある人事は、当事国首脳の同意を得ていると考えるのが自然。

米国と日本が積極的に台湾防衛に協力しようとしていることが、2氏の動向からうかがえる。

「米国、日本と台湾が連携し、台湾海峡の平和を守る」というトランプ米大統領の意図もくみとれる。