日本が「台湾有事」避難計画 沖縄から12万人を九州・山口へ

公開日:2025年3月27日

 日本政府は3月27日、台湾に近い沖縄県・先島諸島から約12万人が九州7県と山口県に避難する計画概要を発表した。

「特定の有事を想定していない」とするが、実際は中国が台湾に侵攻する「台湾有事」を念頭に置いている。


 ■解説

 日本最西端の与那国島は台湾から110キロと近い。

中国が2022年に台湾を包囲した大規模演習では、弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾している。

今回の避難計画は、日本への武力攻撃が予想される「武力攻撃予測事態」を政府が宣言した状況を想定。

先島諸島の宮古島市、石垣市、竹富町、与那国町、多良間村の5市町の人口11万人と観光客1万人について、旅客機やフェリー、バスなどを使って九州・山口へ1日2万人ずつ移動させ、6日間で避難を終える。

避難期間は1か月程度を想定している。

ただ、実際に武力攻撃の危険がある状態で、民間の航空機や船舶、バスがどこまで協力できるかは疑問。

12万人が宿泊するホテルの確保も難しく、「机上の空論」という批判が出ている。