中国「30年までにAI大国」 米国の情報機関報告書 公開日:2025年3月25日 米国の情報機関を統轄する国家情報長官室は3月25日、世界の脅威に関する年次報告書を公表。中国は2030年までに米国を「人工知能(AI)大国」の座から追い落とすことを国家戦略としていると指摘。「台湾統一を巡って米国と軍事衝突が起きた場合に優位に立つため、軍事力の強化を進めている」と警戒感を示した。 ■解説 報告書はロシア、北朝鮮、イランにも触れているが、中国に対する懸念が全33ページの約3分の1を占めている。中国は極超音速兵器、ステルス戦闘機、最新鋭潜水艦などの通常兵器の強化に加え、多面的な戦略を持っていると指摘。インフラに対するサイバー攻撃や、大規模言語モデル(LLM=膨大なデータを学習して人間のように言葉を表現するAI)を使った偽ニュースの作成、攻撃的ネットワークの構築などを計画している可能性が高いとし、「最も能力の高い戦略的競争相手」と名指しして警戒感をあらわにしている。