パナマ運河港湾の事業売却を延期か 香港系企業

公開日:2025年3月23日

 パナマ運河の両端にある港を管理する香港系企業が、港の運営権を売却する契約を先延ばししていると複数の香港メディアが伝えている。

トランプ米政権の圧力を受けた事業売却に不満を抱く中国が圧力を加えている可能性がある。


 ■解説

 パナマ運河両端の港は、香港の大富豪・李嘉誠氏が率いる「長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)」傘下の企業が運営。

トランプ米大統領は「パナマ運河を中国が支配している。

米国が取り戻す」と宣言し、軍事行動も辞さないとちらつかせた。

同社は傘下企業の株式を米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)主導の共同事業体に売却すると決定したが、中国は官民を挙げて「中国人への裏切り行為」と激しく非難。契約を阻止しようとしている。

香港メディアによると、売却は先送りしているが中止とは決まっていないという。

 中国共産党の対外交流部門、中央対外連絡部の馬輝・副部長は3月14~15日に党代表団を率いてパナマを訪問。

主要政党指導者と交流し、「パナマと交流を強化したい」と表明した。

トランプ政権の圧力でパナマ政府が中国の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱を決定しており、中国はパナマのつなぎ止めに懸命となっている。