台湾へ武力行使認める「反国家分裂法」20年 公開日:2025年3月14日 中国が台湾独立阻止のため武力行使することを正当化した「反国家分裂法」を制定して20年となる3月14日、北京の人民大会堂で記念の座談会が開かれた。中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)や中国軍の劉振立統合参謀部参謀長、王毅外相らが出席し、「祖国の完全統一を実現する」とあらためて強調した。 ■解説 2005年に採択された反国家分裂法は、台湾が中国から「分裂」したり、平和統一の可能性が失われたりした場合に「非平和方式」の措置を取ると明記。当時の台湾では、独立志向の強い民進党の陳水扁総統が再選を果たしており、独立阻止に武力を行使する法的根拠を持たせた。昨年6月には「台湾独立や分裂を図る行為」は最高刑で死刑とする指針も施行した。 台湾の頼清徳総統はかつて「私は実務的な独立主義者」と公言していたが、総統就任後は持論を封印。それでも中国指導部は頼氏を「独立派」とみなして強く警戒しており、頼氏も「中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに隷属しない」といった発言を繰り返している。頼氏は3月13日には中国を「境外敵対勢力」と断言。中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は「独立派がレッドラインを突破すれば、断固とした措置を取らざるを得ない」と武力行使をちらつかせ、台湾に威圧を続けている。