台湾へ軍事圧力「常態化」 中国軍報道官が公言 公開日:2025年3月10日 中国国防相の呉謙報道官は3月9日、台湾の民進党政権について「台湾独立の挑発を強め、米国頼って独立を図り、統一を拒んでいる」と主張。中国軍は「独立勢力と戦う」とした上で、「近年は台湾周辺での巡視活動や軍事的圧力を常態化させている」と述べ、台湾に恒常的に軍事的圧力を加えていることを公に認めた。中国で全国人民代表大会(全人代)を開催しているのに合わせて、記者団の質問に応じて発言した。 ■解説米国で正副大統領に次ぐ地位の下院議長だったナンシー・ペロシ氏が2022年に台湾を訪問して以降、中国軍の軍用機や艦船がひんぱんに台湾の防空識別圏や「事実上の休戦ライン」といわれる台湾海峡の中間線を越えて進入している。さらに、中国を「最大の敵」とみなす閣僚ぞろいのトランプ米政権と台湾が接近することも中国当局は警戒している。呉謙報道官は、海外の注目も集まる全人代の会期中に「常態化」を明言し、民進党政権への圧力を強める姿勢を示した。