中国で全人代開催 国防費は日本の4倍強

公開日:2025年3月5日

中国の第14期全国人民代表大会(全人代=国会)第3回会議が3月5~11日、北京で開かれた。

2025年の国内総生産(GDP)成長率目標は24年と同じ「5.0%前後」に設定。

25年予算のうち国防費は前年比7.2%増で過去最高の1兆7846億元(約36兆5843億円)を計上した。

日本の25年度防衛予算(8兆6691億円)の4.2倍にあたる。李強首相は政府の年間方針を示す政治活動報告で「『(台湾)独立』分離活動と外部勢力による干渉に断固反対し、祖国統一の大業を推進する」と強調した。

 

 ■解説
 政治活動報告では、「アメリカファースト」を掲げるトランプ米政権を念頭に「あらゆる形の一国主義、保護主義に反対する」と主張。

GDPに対する財政赤字率を前年の3.0%から「4.0%前後」に引き上げ、米国との貿易摩擦に対処するため財政支出を拡大し、景気の下支えを図る方針を示した。

 景気が低迷する中でも国防費は経済成長率を上回る伸びを維持し、習近平政権による軍拡路線の継続を明確にした。

政治活動報告では、習近平国家主席が提唱する「新しい質の戦闘力」に初めて言及。

人工知能(AI)やドローンなど中国が優位性を持つ技術に基づく兵器開発や作戦展開に重点を置くとみられる。