中国の新型ステルス爆撃機「轟‑20」は依然未公開 米メディア:就役は2030年以降の可能性

公開日:2026年8月2日

中国は2016年、新型の長距離ステルス爆撃機「轟‑20」を開発中であることを正式に認め、戦略空軍能力を完成させる“最後のピース”として注目を集めてきた。
しかし米メディア『1945』は、開発開始から約10年が経過した現在も、中国は原型機を公開しておらず、試飛時期や試験部隊についても一切明らかにしていないと指摘した。
中国空軍副司令員は2024年に「開発にボトルネックはない」と述べ、近く公開すると予告していたが、現時点で実現しておらず、進捗への疑念が高まっている。

今年6月に公表された評価報告では、轟‑20の正式就役は2030年以降になる可能性が高いとされる。理由として、無尾翼機の操縦制御、ステルス性維持など複数の核心技術が依然課題となっているためだ。米空軍爆撃機部隊の責任者も今年2月、「中国はまだそのレベルに達していない」と述べている。

米国防総省は、轟‑20がステルス性能を備えた長距離戦略爆撃機となり、第二列島線を突破して西太平洋奥深くまで侵攻可能になると分析。通常兵器と核兵器の双方を搭載でき、空中給油により作戦範囲を大幅に拡大する見通しだ。現役の轟‑6Kが巡航ミサイルによる遠距離攻撃に依存するのに対し、轟‑20は敵防空網内部に侵入し、内蔵兵器庫から複数回攻撃できる“再使用可能な長距離打撃プラットフォーム”となる点が最大の強みで、日本やフィリピンなど米同盟国への軍事的圧力が増すとみられる。

一方で、中国は依然として多くの技術的課題を抱えている。高性能エンジン、大型複合材機体、レーダー吸収材、任務ソフトウェア、後方整備能力などが不十分とされるほか、全球規模の任務を遂行するには空中給油機の支援が不可欠だが、中国の給油機戦力や長距離運用経験は米軍に大きく劣り、実戦半径を制約する要因となっている。

米国側も戦略爆撃機戦力の強化を進めており、今年はB‑21「レイダー」ステルス爆撃機の生産能力を25%増強。将来的な調達数は200機規模に達する可能性がある。米中双方が長距離打撃能力を拡充する中、轟‑20が予定どおり就役できるかどうかは、中国空軍の戦力構築だけでなく、今後のインド太平洋地域の軍事バランスにも大きな影響を与えるとみられている。